[神社] どちらが鬼か?温羅の唸り声がまだ地中から聞こえている(吉備津神社:岡山県岡山市)

吉備津神社

祭神

大吉備津彦命。

住所

〒701-1341 岡山県岡山市北区吉備津931

電話

086-287-4111

駐車場

神社そばの無料駐車場。400台駐車できます。

感想

温羅(うら)は吉備を統治していたひとびとだと考えられています。

この温羅を攻めたのが,五十狭芹彦命です。五十狭芹彦命は孝霊天皇の息子ですから,ヤマト王権側の人物です。

鹿児島南部にいた熊襲や東北の蝦夷がヤマト王権に制圧されてしまったように,岡山にいた温羅もまたヤマト王権に制圧されてしまった地方豪族のひとつだったのでしょう。

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図1. 関係図

吉備津神社の石段を登り終えると,大きなちょうちんが見えます。黒で十六菊花紋章が描かれています。

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図2. 十六菊花紋章

この神社のなかには,温羅の首を埋めたという言い伝えのあるところもあります。首は犬に食わせて骨にしてから埋めたといいます。犬に首を食わせたのは犬飼武命です。犬養毅の祖先とも言われていますが,その犬養毅の銅像がまるで境内に睨みをきかせるかのように吉備津神社の外にたっています。今も吉備にもともといたひとたちの魂を押さえ込もうと神社全体でしているようにも思えるので不思議です。

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図3. 犬養毅の像

地中に埋められた温羅の首は13年の間唸り声を上げたと言います。その声は,当時,吉備にもともといた人たちの苦しみの声だったのはないでしょうか。石階段を登った先にある黒の十六菊花紋章を眺めていると,なにやら,頭を押さえつけられているような心持ちになるので不思議です。

熊襲に蝦夷,そして温羅。押さえつけられたものたちには常に禍々しい名前が与えられます。それは一種の呪いと言えるでしょう。その呪いはこれまでもこれからもずっと続くのです。

わたしたち庶民の歴史は,美しい神殿のなかにはなく,温羅の唸り声のする地中深くにあるのでしょう。

美しい吉備津神社に参拝して,そんなことを考えました。

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