概要 飯塚まり・佐藤豪・中川吉晴 (2019). 播磨陰陽師のインタビューノート, トランスパーソナル心理学/精神医学, 18 巻, 1 号, p. 1-10. の一部を紹介しています。
現代に生きる陰陽師
陰陽師の尾畑雁多さんに聞き取った内容の一部が論文になっています。飯塚まり・佐藤豪・中川吉晴 (2019)「播磨陰陽師のインタビューノート」。なんだか,インタビュー・ウィズ・ヴァンパイアみたいなタイトルですね。ちがうか。
- 飯塚まり・佐藤豪・中川吉晴 (2019). 播磨陰陽師のインタビューノート, トランスパーソナル心理学/精神医学, 18 巻, 1 号, p. 1-10 [jstage]
なぜ,陰陽師として活動しているのか。呪い,穢れ,神とはなにかについて,尾畑雁多さんが答えています。わたしは播磨の生まれですが,陰陽師の方にはあったことがないです。「おかみさん」と言われるひととの縁はあるのですが。
御神木
御神木の祟りなどについても書かれています。わたしは最近,祠の木を切りました。切り倒したわけではなくて,枝を切ったのです。切る前にお酒を供えて,今から切ります,これを切るのは裏のひとが自分の敷地内に木がはみ出しているから切ってほしいと言ってきたためです,すいません,こういう理由ですから今から切りますと神さまに説明してから切ったのがよかったのか,今のところ,心身ともに健康です。
尾畑雁多さんによると,御神木というのはその場を清めるために必要なものだといいます。ひとが死ぬと悪い気が山にのぼっていくそうです。その悪い気を木が吸い取って浄化してくれるそうです。悪い気を吸い取った木を切ると,悪い気がでてきて祟りとなるということです。
貧乏神に帰ってもらう方法
面白いのは貧乏神に帰ってもらう方法があるということ。貧乏神が来ると,毎回同じことが繰り返されてるそうです。悪いことがなん度も繰り返されるのでしょうか。例えば,落とし物を繰り返したり,ひとに裏切られたり,家族が病気になったりと。そうしたときに,ひとは必ずある夢をみると尾畑雁多さんはいいます。
貧乏神が来ると、必ず自分の部屋で寝いる夢を見るんですよ。ボロボロの服装のおじいちゃんが来て、「お前のところに2、3日逗留するから」と言って、存在しないはずの2階に上がっていくという夢を見るんですよ。そのときに「上がっちゃダメ」と言えれば、来ないわけですよね。 (p.6)
一応,貧乏神も勝手に家のなかに居座るわけではなく,泊めてくれるかと聞くようです。その場合,いやですといえば,貧乏神は帰っていくそうです。神様も話を聞いてくれるんですね。御神木を切っても,わたしが大丈夫だったのは,やはり神様がわたしの言うことを聞いてくれたのかな。
どうもありがとうございます。いつもありがとうございます。
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